3月の民話学習

3月11日(土)13:30~15:00
「山岳信仰」

【学習内容のまとめ】
原始的な山岳信仰は、縄文時代(1万~1万2千年間)から始まっていた。
弥生時代(2千年間)には鉄器の使用が始まるが、それ以前から渡来人との交流があったと推測される。朝鮮半島からリマン海流で南下し、対馬海流に乗って北上すれば、日本海沿岸に上陸することは難しくない。
縄文時代は狩猟の文化であり末期には稲作が始まるが、その間に雑穀の文化があり山の麓で集落を形成し焼き畑をしていた。火が用いられ、火を支配する神=山への信仰が始まったと考えられる。火を扱う者は神を呼ぶことができる呪術者であり、必要不可欠な存在となる。
原始的山岳信仰は、やがて特別な修行者である蜂子皇子や泰澄らによって出羽信仰や白山信仰となって発展する。キリスト教は排他的宗教であるが、神道は他の宗教と融合し発展する。
春、かつては神の依り代とするために山の柴(常緑樹)を取ってきて田の四隅に立て、山の神を呼んで豊作を祈り、秋には神を山に返した。山の神と水の神は一体のものであり、「鼻垂れ小僧」で山の柴を取りに行き川に流すのも、この所以だ。「桃太郎」冒頭の「爺は山へ芝刈りに婆は川へ洗濯に」も、これと繋がる。川へ洗濯に行くのは、神を迎える禊である。

2023年03月11日