10月の民話学習

10月14日(土)13:30~15:40
参加者6人
「白山信仰の特徴」

【学習内容のまとめ】
1.九頭龍
翠ヶ池に出現するも、泰澄は「本当の姿ではない」として追い払う。
九頭龍は水源信仰の神であり、白山信仰の根本に九頭龍信仰があったと考えられる。
2.十一面観音
インドで生まれた最初の観音は聖観音。半過恣意像の形を取り、末法の世をどう救うべきか考えている姿であり、人間の苦しみを救うことはできない。
そこで、次に生まれたのが十一面観音。現世の人間の苦しみ・悲しみを救う。東・西・南・北・北東・南東・北西・南西の8面と上下の2面、正面、の11面を見据え、あらゆる方角を高い場所(山)から見ている。山岳信仰と一致。
その次には、准胝(じゅんてい)観音が生まれ、十一面観音が救えなかったものを救う。
泰澄が求めたのは十一面観音であり、そこに泰澄の見識がある。
3.海
対馬海流にぶつかったリマン海流は、日本海中国地方沿岸から能登半島に向かってUターンする。この流れに乗って朝鮮から簡単に日本に到達することができた。泰澄の弟子の一人、臥行者は、蜂を使って日本海にあった船荷を泰澄の元に届ける。
4.川
水源信仰=手取川・九頭竜川・長良川
*形式的には
役小角(えんのおづの)が一切出てこない。泰澄がその役を引受けてもおり、また、地域の民が独自のものを信奉し役小角の影響を排除していたとも考えられる。
さらに、被差別部落との関係についても探求したい。彼らは、非定住民として、天皇から委嘱された職人の仕事をしているという自負を持っていた。

2023年10月14日